爪水虫に効果的な漢方薬&そのメリット・デメリット

 

爪水虫の治療には、抗真菌薬の飲み薬や塗り薬を使うのが一般的ですが、実は漢方薬の中にも爪水虫に効果的なものがあります。
今回は、爪水虫に適した漢方薬をご紹介し、そのメリット・デメリットについて解説します。

 

 

爪水虫のタイプにはどんなものがある?

一口に「爪水虫」といっても、その症状はさまざま。
爪水虫は、このの3タイプに分けられます。

  • カサカサした乾燥型
  • ジュクジュクとして、ただれがある湿潤型
  • 患部が赤くなり、炎症を起こしている炎症型

 

症状によって効果的な漢方薬は異なります。
それぞれのタイプに合った漢方薬を、順にご紹介します。

 

乾燥型の爪水虫に効果的な漢方薬の種類は?

 

三物黄ごん湯 (さんもつおうごんとう)

黄ごん(おうごん)・苦参(くじん)・地黄(じおう)から構成される漢方薬で、熱や炎症を鎮める作用があります。
体力中等度又はやや虚弱で、手足のほてりがあり、頭痛・口渇・不眠などを伴う場合、また、皮膚に熱感や発赤、かゆみがある場合に用いられます。

 

爪水虫をはじめ、湿疹・皮膚炎・口内炎・不眠症・自律神経失調症などに効果があり、通常、成人は1日7.5gを2〜3回に分けて、食前または食間に服用。
年齢や体重、症状によって適宜増減されることがあります。

 

人によっては、胃部不快感や食欲不振、吐き気などの症状が出ることも。
その場合は服用を中止し、医師に相談しましょう。

 

よく苡附子敗醤散(よくいぶしはいしょうさん)

よく苡仁(よくいにん)・附子(ぶし)・敗醤(はいしょう)が配合された漢方薬。よく苡仁には、皮膚の新陳代謝促進・保湿・血行促進・抗菌・抗炎症・抗ウイルス・免疫機能活性など、さまざまな効果があります。
また、附子には新陳代謝促進や鎮痛・鎮静効果が、敗醤には抗菌・消炎鎮痛といった効果があります。

 

体力が虚弱な方の、熱を伴わない下腹部の痛みや爪水虫、湿疹、皮膚炎、肌荒れ、いぼなどに使用。
食前または食間に服用します。
副作用はほとんどありませんが、気分が悪くなるなど体調の変化がある場合は、服用を中止し医師に相談してください。

 

麻杏よく甘湯(まきょうよくかんとう)

よく苡仁(よくいにん)・麻黄(まおう)・杏仁(きょうにん)・甘草(かんぞう)から構成される漢方薬。
発汗作用があり、体の熱や腫れ、痛みなどを発散して治す効果があります。

 

体力が中等度の方の、爪水虫、イボ、肌荒れのほか、関節痛や筋肉痛、神経痛などに効果があります。
通常、成人は1日7.5gを2〜3回に分けて、食前または食間に服用。年齢や体重、症状によって適宜増減してください。

 

身体が非常に弱っている方や発汗の多い方には向かないお薬です。
胃腸が弱い方の服用は慎重に。血圧上昇や不眠、発汗過多、動悸、便秘、下痢などの副作用が起こった場合は、服用を中止し医師に相談してください。

 

湿潤型の爪水虫に効果的な漢方薬の種類は?

 

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

十味敗毒湯は、10種類の生薬で構成される漢方薬。
10種類の生薬が一緒に働き、熱や湿気を取り除き、かゆみを抑えます。

 

具体的には、荊芥(けいがい)・防風(ぼうふう)・川きゅう(せんきゅう)・独活(どっかつ)には血管拡張作用が、柴胡(さいこ)・桔梗(ききょう)・甘草(かんぞう)・樸そく(ぼうそく)には消炎・解毒作用が、茯苓(ぶくりょう)・生姜(しょうきょう)には利水効果があります。

 

体力が中等度の方で、ジュクジュクと湿った爪水虫に有効。化膿性皮膚疾患やじんましん、急性湿疹にも用いられます。
成人は1日7.5gを2〜3回に分けて、食前または食間に服用。年齢や体重、症状によって適宜増減します。

 

胃部の不快感や食欲不振などの副作用が出る方も。
症状がつらいときは医師に相談してください。

 

消風散(しょうふうさん)

荊芥(けいがい)・防風(ぼうふう)・蒼朮(そうじゅつ)・木通(もくつう)・石膏(せっこう)・知母(ちも)・苦參(くじん)・地黄(じおう)・当帰(とうき)・牛蒡子(ごぼうし)・胡麻(ごま)・甘草(かんぞう)・蝉退(せんたい)といった13種類もの生薬で構成された漢方薬。
患部の熱を冷ましてかゆみを止め、膿や分泌物を排出するなど多くの作用があります。

 

体力が中等度以上の方の、ジュクジュクして激しいかゆみや炎症がある爪水虫に有効。爪水虫以外にも、ジュクジュクしてかゆみが強く、局所的に熱感のある湿疹やじんましんに用いられます。虚弱な方や乾燥したかゆみには適しません。

 

成人1日7.5gを2〜3回に分けて、食前または食間に服用。
年齢や体重、症状によって適宜増減してください。
食欲不振、胃部不快感、腹痛などの症状があらわれた場合は、副作用の可能性が。服用を中止し、医師に相談してください。

 

白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)

石膏(せっこう)・知母(ちも)・粳米(こうべい)・人参(にんじん)・甘草(かんぞう)が配合された漢方薬。
体の熱を冷まし、のどの渇きやほてり、かゆみなどを緩和します。

 

比較的体力がある方の、かゆみが強い爪水虫に有効。他に、湿疹や皮膚炎でかゆみがある場合にも用いられます。
冷え性で虚弱な方には適さず、胃腸が弱い方も注意が必要です。

 

通常、成人1日9.0gを2〜3回に分けて、食前または食間に服用。
年齢や体重、症状によって適宜増減。発疹やかゆみ、食欲不振、胃部不快感などの副作用があらわれた場合は、服用を中止して医師に相談してください。

 

炎症型の爪水虫に効果的な漢方薬は?

 

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

桂皮(けいひ)・芍薬(しゃくやく)・茯苓(ぶくりょう)・桃仁(とうにん)・牡丹皮(ぼたんぴ)から構成される漢方薬。
血行をよくする働きがあります。
血流がよくなることで末端の免疫力が向上するため、比較的体力がある方の爪水虫にも有効。
のぼせて足が冷える方、生理痛、頭重、肩こりなどにも用いられます。

 

成人は1日7.5gを2〜3回に分けて、食前または食間に服用。年齢や体重、症状によって適宜増減します。
発疹・発赤、かゆみ、食欲不振などの症状があらわれた場合は、服用を中止し、医師に相談してください。

 

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

桃仁(とうにん)・桂皮(けいひ)・大黄(だいおう)・甘草(かんぞう)・芒硝(ぼうしょう)が配合された漢方薬。
血液循環をよくする、ホルモンバランスを整える、便通をつけるなどの効果があります。

 

桂枝茯苓丸と同様、血流改善の結果、末端の免疫力が向上するため、爪水虫にも効果があります。
桂枝茯苓丸よりも、体力があり便秘がある場合に使用。
イライラして便秘がちな方、生理痛、生理に伴う腰痛にも用いられます。

 

通常、成人1日7.5gを2〜3回に分け、食前または食間に服用。
年齢や体重、症状によって適宜増減します。発疹・発赤、かゆみ、腹痛、激しい腹痛を伴う下痢などの症状があらわれた場合は、服用を中止し、医師に相談しましょう。

 

漢方薬を飲むメリット・デメリットとは?

漢方薬のメリットは、体質改善をすることによって自然治癒力を高め、抵抗力をつけられること。
白癬菌に限らず、さまざまな菌やウイルスから体を守ることができ、それが病気の治療につながります。

 

副作用のリスクが少ないというメリットがあります。
病院で処方される抗真菌薬の飲み薬は、爪水虫の治療に効果的ですが、頭痛や吐き気、重篤な肝機能障害などの副作用が生じる可能性もあります。
それに比べると漢方薬の副作用はかなり少なく、軽度であるといえるでしょう。

 

デメリットは即効性がないこと。
服用することで徐々に体質改善を図るため、ある程度の時間を必要とします。
また味にクセのあるものも多く、飲みにくいと感じることも。

 

漢方薬は自分で購入することもできますが、飲み続けるとなるとかなりの出費に。
自分に合ったものを選ぶのも難しいかもしれません。漢方薬を飲む場合は、病院で出してもらうのがおすすめ。
症状や体質に合ったものが処方されるので安心ですし、保険が適用されるので負担が軽くなるでしょう。

 

爪水虫に効果的な塗るタイプの漢方について

爪水虫の治療には、飲み薬だけではなく、塗るタイプの漢方薬もあります。

 

イスクラ華陀膏(かだこう)の使い方・副作用

イスクラ華陀膏は、安息香酸、サリチル酸、dl-カンフルを配合した軟膏剤。
乾燥型と湿潤型、どちらの爪水虫にも使えます。

 

患部を清潔にしたのち、1日1〜3回適量を塗布又は塗擦します。
発疹・発赤、かゆみ、かぶれ、腫れ、刺激感などの副作用が起こった場合は、医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。

 

中黄膏(ベルクミン)の使い方・副作用

中黄膏は、オウバク・ミツロウ・ウコン・ゴマ油を配合した黄褐色の軟膏剤。
メーカーによっては豚脂が入っています。
熱を取る・排膿を促す・疼痛をやわらげる効果があります。

 

患部を清潔にしたのち、適量を患部に塗布、又はガーゼ等にのばして貼付します。
発疹・発赤、かゆみなどの症状があらわれた場合は、使用を中止し、医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。

 

紫雲膏(しうんこう)の使い方・副作用

紫雲膏は、トウキ、シコン、ゴマ油、ミツロウ、豚脂の5つの有効成分で構成された、赤紫色の軟膏剤。
解毒・抗菌・抗炎症作用がありますが、患部が化膿している・ジュクジュクしている場合には向きません。

 

患部を清潔にしたのち、1日数回適量を患部に塗布、又はガーゼ等にのばして貼付します。
発疹・発赤、かゆみなどの症状があらわれた場合は、使用を中止し、医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。

 

まとめ

爪水虫に効果的な漢方薬と、メリット・デメリットについてご紹介しました。
漢方薬、抗真菌薬のどちらにも、それぞれメリット・デメリットがあります。
漢方薬も選択肢のひとつとして、ご自身に合ったお薬で爪水虫を治療していきましょう。

 

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